2015-04-02

【 IguanaTeX 日本語対応版 】 PowerPoint で TeX な数式を。そして、日本語も。

PowerPoint でスライド作りをしていて、数式を入力しようと思ったときに Microsoft Office の数式モードの使用感 (主に入力方法) &フォントがどうも受けつけないので、慣れ親しんだ TeX ライクな使用感&フォント (Computer Modern) を導入した話。



【 2015/06/28 追記 】
本家 IguanaTex の方で pLaTeX 対応していただき、日本語でも全く不自由しない状態になりました。ですので、よっぽどの理由がない限り、本家 v1.44 以降の使用をオススメします。
Download IguanaTex

【 2015/06/16 追記 】
(もうかなり完成されていて、アップデートされないだろうと勝手に思っていたら、) 5月に v1.4x がリリースされたようで。気が向いたら v1.4x ベースでカスタムするかもですが、あまり期待しないでください(^_^;



今回、お世話になったのは「IguanaTeX」という PowerPoint 用アドイン。

さらに、要件として「日本語」が使いたかった。
日本人の方が作っている「pptTeX」ってのも使ってみてよかったのですが、IguanaTeX 同様に日本語が使えず、"日本語" が使える環境を構築している方 (SDPARA を開発しよう: Iguana TeX で日本語を通す) がいて、改良ポイントの見極めが楽そうだったというのが、「IguanaTeX」を使った理由。

とは言ってもまぁ、微妙にバージョンが違ったこともあってか、なかなかうまくいかなかったのですが(笑)
その苦労話は誰も興味がないと思う + 面白くもなんともないので、今回はサクッと省略しときます。


● 必要なもの

  • Windows PC
    言うまでもなく。
  • Microsoft Office
    これまた言うまでもなく。確認したのは 2010 と 2013。2007 でも動くと思われます。
  • TeX 環境
    TeXインストーラ 3」などで構築してください。まぁ、このページを見ている時点で、構築されているとは思いますが。具体的には pLaTeX, dvips(k) が実行できる環境。
  • Ghostscript (GPL)
    EPS ファイルのアウトライン化のために使用。
    検証時に使用したバージョンは、9.16 (32-bit)。eps2write を使用している都合上、9.14 以降でないと正常動作しません。(epswrite に書き換えれば動くと思う。)
  • ImageMagick
    EPS ファイルを PNG ファイルに変換するために使用。インストールフォルダ配下、bin\convert.exe を使います。
    検証バージョンは、6.9.1-0-Q16-x64。
  • IguanaTeX 日本語対応版
    今回の最重要アイテム。ページ下部に DL ページを用意してあります。


● 日本語対応改造使用コマンド及び概要


知らなくてもいいです。一応。

:: pLaTeX で DVI ファイルを生成
platex -interaction=batchmode <filename>.tex

:: dvips で DVI ファイルを EPS ファイルに変換
dvips -x 1200 -y 1200 "<filename>.dvi" -o "<filename>.eps"

:: Ghostscript (gswin) で EPS ファイルをアウトライン化
gswin -q -sDEVICE=eps2write -sOutputFile="<filename>_outline.eps" -dNOPAUSE -dBATCH -r20016 "<filename>.eps"

:: ImageMagick の convert.exe (IMconv) で (トリミング +) PNG ファイルへの変換
IMconv -density 1200 -trim -transparent white "<filename>_outline.eps" "<filename>.png"


● 設定


一度だけやればOKなはず。
  1. Ghostscript と ImageMagick をインストール
  2. 適当な PPT ファイルを開いた状態で、IguanaTeX の PPAM ファイルを開く (常時開くような設定もできますが、省略)
  3. PowerPoint のリボン "IguanaTeX" を選ぶ
  4. "Main Settings" を選ぶ
  5. 一旦、"Use PDF->PNG conversion ..." のチェックを外す
  6. "PDF->PNG settings:" 以下の、Ghostscript と ImageMagick のパスを指定
  7. "Use PDF->PNG conversion ..." のチェックを戻す (つける)
  8. "OK" を押して、設定を終了


● 使い方


【 新規作成 】
  1. "New LaTeX display" を押して、適当な LaTeX コードを打って、"Generate" を選択
  2. 生成されます

【 編集 】
  1. 編集したい LaTeX 画像を選択
  2. "Edit LaTeX display" を選択
  3. 編集して、"Modify" を選択
  4. 編集されます


● サンプルコード


こんな感じのコードを書けばよいかと。"% please insert LaTeX Math code..." に数式を書けばOK。
適宜更新するので、 気づいたら変わってるかも。

\documentclass[fleqn]{jsarticle}
\pagestyle{empty}
\usepackage{amsmath}
\usepackage{amssymb}
\usepackage[dvips]{color}
\definecolor{textcolor}{rgb}{0.3, 0.3, 0.3}
\begin{document}
\color{textcolor}
\begin{align*}
% please insert LaTeX Math code...
\end{align*}
\end{document}


● IguanaTeX 日本語対応版


IguanaTeX v1.37 をベースとしています。
ルートにある "IguanaTex_v1_37jp.ppam" がアドインファイル。
そのソースは、"src" フォルダ内に。"org" フォルダは改造前のオリジナル版が入ってます。



とりあえず動くというような状態でしかなく、改良すべき点もまだまだあるので、どなたか解決してください(笑)

【 2015/06/28 追記 】
IguanaTex v1.44 から日本語対応となり、v1.40 以降使い勝手も向上していますので、よっぽどの理由がない限り、本家 IguanaTex の使用をオススメします。



● トラブルシューティング (随時更新)


Q. コンパイルが通らない。
A. 出力されたエラーを確認してください。一番多いと思われるのが、入力した TeX のコードの構文エラー。また、パッケージの取り込みエラーが発生している場合には、そのパッケージが存在しているかを確認し、存在しているのにダメな場合には TeX 環境を再構築してみてください。

Q. 数式の下部が欠ける (画像の下のほうが途切れる)。
A. TeX 環境を再構築してみてください。


# 参考 (再掲含む)

4 件のコメント :

  1. IguanaTexデベロッパーのジョナトンと申します。
    今までのIguanaTexでも一応日本語を(CJKなどで)入力できましたが、やはりplatexのほうがいいですね。というわけで、先ほどplatexサポートありのv1.44をリリースしました。
    こちらからダウンロードできます:http://www.jonathanleroux.org/software/iguanatex/download.html
    よろしくお願いします。

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    1. はじめまして。返信が遅くなってしまい申し訳ありません。このブログを管理している tag と申します。
      まさか、本家の方で対応していただけるとは思っても見ませんでした。ビックリしています。
      しかも、IguanaTex をメインでメンテナンスされている Jonathan さんが日本の大学を出られていて、日系企業にお勤めとは考えもしませんでした。

      CJK パッケージで使えるのは知らなかったのですが、Jonathan さんの仰るように pLaTeX で使える方がありがたいです。
      早速使ってみましたが、完璧です。ありがとうございます!

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    2. 喜んでもらえてなによりです。何か改善してほしいところがあれば、ぜひご連絡ください!

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    3. お言葉に甘えて、そうさせていただくことになるかもしれません。
      その時は、よろしくお願いします!

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