2014-10-09

「結局のところ、どのSSDがいいのか?」についての持論と考察 (2014年10月版)

「どこの SSD がいいのか」という、個人的によく聞かれる純粋な疑問に答えるべく、まとめてみた。
2014年10月版としたが、今後続くかは未定。




● メーカー


どんなメーカーがあるのか、について。50音順。他にもありますが、それ以外は自社で作っているのか謎だし、特に書くことも思い浮かばなかったし、自分なら買わないと思うので除外。
  • Intel (インテル)
    世界有数の半導体メーカ。Core i シリーズや Pentium、Celeron といった CPU で有名。「インテル入ってる」の CM は知らない人はいないのでは。
    コンシューマ向けの製品としては、Intel SSD 300、500、700 シリーズが存在し、Core i シリーズと同じで、3、5、7 と数が大きくなるほどハイエンド。また、十の位が大きいほど新しいモデル。700 シリーズはデータセンタ向けだったものが、SSD 730 シリーズからコンシューマ向けとなった。また、300 シリーズはディスコンになっている様子。
  • ADATA (エーデータ)
    台湾の半導体メーカ。DRAM や USB メモリなど、メモリの分野で出会ったことのある方も多いかと。個人的には2~3流メーカと認識。DRAM モジュールのシェアは世界2位だそう。
    XPG (Xtream Performance Gear) シリーズや Premier Pro シリーズ、Premier シリーズが存在。500 シリーズという廉価な入門モデルも。XPG はゲーミング PC 向けっぽい。
  • Kingston (キングストン)
    米国に本社を置くメモリメーカ。DRAM モジュールのシェアは世界1位だそうな。今調べて初めて知った。個人的に好きじゃないタイプの中華感が強く感じられるので、ちょっと……なメーカ。
    SSDNow というブランド名で SSD を販売。V300 シリーズは、特に悪い意味で有名である。(一言でまとめると、消費者を裏切るような行為をした。) そんなこともあって、個人的には全く買う気がしないメーカ。
  • Crucial (クルーシャル)
    Micron (マイクロン) という米国企業のコンシューマ向けメモリ関連商品ブランド名。Micron というメーカ名より、Crucial という名前で呼ぶほうが多いので、ちょっと例外。Micron 自体は、日本唯一の DRAM メーカであったエルピーダを買収したことも記憶に新しい。
    以前から人気の SSD ブランドであり、現在は、M500 という旧型モデルと、その後継でハイエンドモデルである M550 をラインナップ。最近では MX100 という低価格ハイコスパ SSD をリリースしたことがとても有名である。 私も MX100 を使用中。
  • SAMSUNG (サムスン)
    世界的にも有名になった韓国のメーカ。スマホの GALAXY シリーズでお世話になっている人も多いのでは。
    SSD の世界でも結構有名。最新モデルの 850 PRO は驚きの 10 年保証。(10 年経ったら、PCパーツは時代遅れになってると思うのですが、まぁそれは置いといて。) とりあえず 840 EVO / 840 PRO が現時点でのメインストリーム。EVO がスタンダードモデルで、PRO がハイエンドモデルという位置づけ。Intel の SSD 同様、十の位が大きいほど新しいモデル。
  • SanDisk (サンディスク)
    誰でも使っているであろう、SDカードの生みの親 (の一人)。 フラッシュメモリ界の王と言っても過言ではないかと。
    SSD に関しては新参者。X100 / X200 / X300 シリーズに加え、Ultra II や Extreme II、 Extreme PRO といった、SD カードにおけるグレードと同じ名前を採用した SSD も存在。良さそうな感じしかしないので、次 SSD を買うならこの辺を狙おうかと思っていたり。
  • Silicon Power (シリコンパワー)
    台湾のメモリメーカ。悪いメーカだとは思わないが、それほどいいメーカとも思わないライン。3流ってところかな。
    SSD は、Velox と Slim の 2 ラインでの展開。Velox が SSD にしては珍しく 9mm 厚。Slim が一般的な 7mm 厚。Velox Vxx や Slim Sxx (xx は数字) が製品名で、50 / 55 / 60 / 70 と数が大きくなるほど性能が上がっている。
  • TOSHIBA (東芝)
    日本を代表する半導体メーカ。SATA 3.0 Gb/s (SATA II) が全盛期の時にとても人気だった OCZ を買収したのも東芝。
    海外版の Q Series Pro か、CFD 販売の HG6 が、手に入るモデル。前者は大抵サポートが短い。予算に余裕があったり、迷ったらとりあえず東芝とだけ言っておく。
  • Transcend (トランセンド)
    台湾の半導体メーカ。安価で安心なフラッシュメモリを提供してくれているので、個人的には好きなメーカ。公式の Twitter の方もなかなかいい感じなので是非(笑)
    コンシューマ向けは Premium に分類されている SSD320 / SSD340 / SSD370 ですが、性能がまちまちなので、どれがいいとかよくわからんw 今回の議論とは関係ないのですが、MacBook Air 専用 SSD (JetDrive) も販売しています。こちらは非常にオススメです。
  • PLEXTOR (プレクスター)
    PLEXTOR ブランド自体は日本のシナノケンシのブランド。CDドライブといったら PLEXTOR という考えの方も多いはず。
    SSD の生産にシナノケンシは関与しておらず、PLDS (Philips & Lite-On Digital Solutions) が行っている。それでも、PLEXTOR ブランドに恥じない性能。現行モデルは、M6 シリーズ。スタンダードモデルの M6S とハイエンドの M6 PRO がある。

と、まぁ長々と書きましたが、自分が買いたくない SSD を勧めるのは心苦しいので、下記のメーカに絞って比較を行いました。決して面倒だったわけではない(棒
ADATA と Transcend は入れるか正直迷いましたが、2.5'' SSD だったら買わないかなぁ、と思ったので除外しました。(気が向けば足すかも。)
  • Intel (インテル)
  • Crucial (クルーシャル)
  • SAMSUNG (サムスン)
  • SanDisk (サンディスク)
  • TOSHIBA (東芝)
  • PLEXTOR (プレクスター)



● 比較


グラフにまとめてみました。間違ってても責任は取れません(^_^;)

SATA 6.0 Gb/s の現行モデルの SSD に絞って比較しました。
理由としては SATA 3.0 Gb/s のものは時代遅れですし、mSATA は私が使っていないので(笑)

また、容量は 128 GB クラスと 256 GB クラスのみ。
理由としては、デスクトップに組み込むなら、システムドライブのみ SSD とするパターンが理想だと思っているので、その場合には 128 GB クラスが適していると思っているため。多くても 256 GB あれば足りるだろうし。
もしノートに組み込むなら、128 GB クラスでは厳しいが、256 GB クラスくらいなら普通に困らないと考えているため。
そんなわけで、それ以下/以上に関しては無視しました。

そして、表の項目について。
  • モデルメーカ名とモデル名。一般的な名称。
  • 品番
    製品ごとの詳細な名前。ググる時とかはこれで一発。
  • コントローラ
    NAND (記録領域) へのアクセスを操作するチップ。SSD の脳。
  • Seq. Read / Seq. Write
    領域からの連続読み込みと領域への連続書き込みの早さ。連続というのは、ひと続きの大きなデータへのアクセスを想定。単位は MB/s (Mega Byte Per Second)。大きいほど高速。
  • Rand. Read / Rand. Write
    領域からの不連続読み込みと領域への不連続書き込み。容量の小さい大量のデータへのアクセスを想定。単位は、IOPS (Input/Output Per Second)。大きいほど高速。
  • 相場
    この記事を書いた時、一番安かったざっくりとしただいたいの金額。送料など含まず。500円刻み。

128 GB クラス
モデル 品番 容量 コントローラ Seq. Read Seq. Write Rand. Read Rand. Write 相場
Intel SSD 530 SSDSC2BW120A4K5 SSDSC2BW120A401 120 SandForce SF-2281 540 480 24K 80K 8500
Intel SSD 530 SSDSC2BW180A4K5 SSDSC2BW180A401 180 SandForce SF-2281 540 490 41K 80K 13000
Micron Crucial MX100 CT128MX100SSD1 128 Marvell 88SS9189 550 150 80K 40K 8000
Micron Crucial M500 CT120M500SSD1 120 Marvell 88SS9187 500 130 62K 35K 8000
Micron Crucial M550 CT128M550SSD1 128 Marvell 88SS9189 550 350 90K 75K 9500
SAMSUNG SSD 840 EVO MZ-7TE120B/IT 120 Samsung 540 520 94K 36K 7500
SAMSUNG SSD 840 PRO MZ-7PD128B/IT 128 Samsung 530 390 97K 90K 8000
SAMSUNG SSD 850 PRO MZ-7KE128B/IT 128 Samsung 550 470 100K 90K 14000
SanDisk X110 SD6SB1M-128G 128 N/A 515 310 81K 47K 9500
SanDisk X210 SD6SB2M-128G 128 N/A 505 330 86K 55K 12000
SanDisk Ultra II SDSSDHII-120G 120 N/A 550 500 81K 80K 8000
TOSHIBA Q Series Pro HDTS312XZSTA 128 TOSHIBA TC358790XBG 554 512 85K 35K 10500
CFD TOSHIBA HG6 (S6TNHG6Q) CSSD-S6T128NHG6Q 128 TOSHIBA TC358790XB6 530 490 95K 61K 8500
PLEXTOR M6S PX-128M6S 128 Marvell 88SS9188 520 300 88K 75K 8500
PLEXTOR M6 PRO PX-128M6Pro 128 Marvell 88SS9187 545 330 100K 82K 10000

256 GB クラス
モデル 品番 容量 コントローラ Seq. Read Seq. Write Rand. Read Rand. Write 相場
Intel SSD 530 SSDSC2BW240A4K5 SSDSC2BW240A401 240 SandForce SF-2281 540 490 41K 80K 16000
Intel SSD 730 SSDSC2BP240G4R5 240 Intel PC29AS21CA0 550 270 86K 56K 22000
Micron Crucial MX100 CT256MX100SSD1 256 Marvell 88SS9189 550 330 85K 70K 12000
Micron Crucial M500 CT240M500SSD1 240 Marvell 88SS9187 500 250 72K 60K 13500
Micron Crucial M550 CT256M550SSD1 256 Marvell 88SS9189 550 500 90K 80K 17000
SAMSUNG SSD 840 EVO MZ-7TE250B/IT 250 Samsung 540 520 97K 70K 12500
SAMSUNG SSD 840 PRO MZ-7PD256B/IT 256 Samsung 540 520 100K 90K 15000
SAMSUNG SSD 850 PRO MZ-7KE256B/IT 256 Samsung 550 520 100K 90K 23000
SanDisk X110 SD6SB1M-256G 256 N/A 515 465 81K 51.5K 18000
SanDisk X210 SD6SB2M-256G 256 N/A 505 470 88K 60K 25000
SanDisk Ultra II SDSSDHII-240G 240 N/A 550 500 91K 83K 12000
SanDisk Extreme PRO SDSSDXPS-240G 240 N/A 550 515 100K 90K 15000
TOSHIBA Q Series Pro HDTS325XZSTA 256 TOSHIBA TC358790XBG 554 512 90K 35K 18500
CFD TOSHIBA HG6 (S6TNHG6Q) CSSD-S6T256NHG6Q 256 TOSHIBA TC358790XB6 530 490 96K 67K 15000
PLEXTOR M6S PX-256M6S 256 Marvell 88SS9188 520 420 90K 80K 14000
PLEXTOR M6 PRO PX-256M6Pro 256 Marvell 88SS9187 545 490 100K 86K 18500


結局のところ「オススメはどれ?」と言われると、非常に困りますが、予算と相談しながら、よりスペックの高いもの (読み書きが高速なもの) を選ぶのをオススメします。また、Seq. Read / Write よりも Rand. Read / Write の方が実際に発生しやすく、高速化を体感しやすいので、Rand. Read / Write が高いものを意識して選ぶほうがよいかと思います。
そうなると、各社のハイエンドモデルを選ぶのがよいことになりますが、通常モデルでも十分高速化を感じることができます。満足度をどこまで得たいか、搭載予定の PC へいくら位ならかけてもいいかなども重要な要素だと思います。

一応、信頼性という意味で、東芝製のモノをオススメしておきますが、列挙したものに関しては基本的にどれもオススメ (ワタシ的にお金を出してもいいと思えるもの) だけにしたつもりです。
購入時の参考になれば幸いです。


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